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2010-03-15 [駄文]


SNSに載せた小説を一応、保管しておきたいので
HPに載せるまでもない短いものなのです



12月27日に書いた小説01:君の部屋

 冷え切った部屋、ストーブの目の前で本を読む。
 昨日買ったもので、忙しかったので読めなかったのだ。熱心に本を読んでいると、こつんと窓に何かが当たった。
 きっと雪だろう、そう思って本から視線をはずさなかった。今いいところなのだ、邪魔されてたまるものか。
 だが窓を叩く音は確実に変化していた。どんどん、と叩くような音に変わる。不審に思い瑪瑙はカーテンを開けた。
「らっ、ランの字!?」
 急いで窓を開けると、そこにはランゲツの姿があった。
 瑪瑙が驚くのも無理はない。なぜならここは二階で、近くに木もないし隣に建物があるわけでもない。壁にあるのは換気をするためだけの穴。
 それを使ってここまで上がってきたというのか。瑪瑙は呆れ半分、関心半分だった。
「メリークリスマス!まぁ一日過ぎたけどな」
「26日にサンタの格好などして・・・一体どうしたんじゃ」
 今日は26日、クリスマスは昨日終わった。街は一変して正月の準備を始めているぐらいだ。
 クリスマスを引きずっているのもランゲツぐらいかもしれない。
「昨日会いにこれなかったからさ、お詫びだよ詫び」
 大きな荷物から雪を払って(勿論、窓の外にだ)瑪瑙にそれを渡す。
 軽いとはいえない荷物。一体何だと袋を開く。
 中に入っていたのは浴衣だった。薄い紫色の柄がついている。帯は濃い紫色だ。
「冬に短い浴衣だと寒いだろ?でも浴衣好きっつーなら着てたいだろうから、寒さに強い浴衣をと思ってな!」
 見た目からして安物とは言えない品だ。質もいいだろう、それに紫というのは高級な色だ。
 瑪瑙は少し不安そうにランゲツを見上げた。ランゲツは首を傾げる。
「何だ、これじゃ不満か?」
「そ、そうじゃなくて・・・こんなものもらって、いいのか・・・?」
 高かったんじゃろう。そう言うとランゲツはニッコリと微笑んだ。
「これぐらいどうってことねーよ。瑪瑙が喜んでくれるならそれでいいから、心配すんな!」
 ぽんと頭を叩かれる。ありがとうと小さく呟くとどういたしまして、と返してくれた。
 浴衣を綺麗にタンスにしまうと、ランゲツは腕を組んで何かを考え始めた。
 きょとんとしながらランゲツをみると、目が合った。
「この部屋寒くないか?」
「あぁ、しょうがないじゃろう。だが我はもう慣れた」
 心配することはない、そう言って座布団を二枚取り出す。
 受け取った座布団に座るがまだ腕を組んでいる。
「何をそんなに悩んでいるんじゃ」
「・・・風邪ひいてほしくないからな・・・」
 何故そんなに心配するのだろうか。瑪瑙はそれが不思議だった。
 誰かに心配されることなど滅多にない。そんな生活だってもう慣れた。
「・・・そうだ、瑪瑙」
 ちょいちょいと手招きをされ近づくと、ぎゅっと抱きしめられてしまった。
「なっ、なんじゃ・・・!?」
「今だけだけど、暖かいだろ?」
 さっきまで外にいたというのに、ランゲツの体は温かかった。
 人の温もりが嬉しくて、少しだけ涙が流れた。
「瑪瑙?」
「見るでない馬鹿者。離れると寒いじゃろう」
 たまには人に甘えてもいいでしょう?その温もりが恋しくて、離れるのが少し怖くて。
 それでも嬉しくて、今だけでいいからこうしていたいと願った。


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02:体の上に乗っかって

 ケンカした。些細なことが原因だった。
 それはいつも通りのことだった。でもちょっとだけちがかった。
 お前の体は小さくて細くて今にも壊れそうで。
 それがすごく怖くて、消えてなくなったりしたらどうしようかと思って。
 手を離したけど、それも怖くて。
 バカ、なんて言って逃げようとしたけど立ち上がれなくて。
 お前は僕のことぎゅって抱きしめて。大丈夫だって呟いて。
 意味がわからない。僕はお前のこと、いつもバカにしてウザがって突き放して。それなのに。
 お前は僕の後ろについてきて、好き、なんて言って一緒にいてくれて。
 それがすごく嬉しいのに伝えられなくて。
「・・・意味わかんない」
 僕の体の方が大きいから、つぶしちゃいそうになるけど。
 抱き寄せてくれたのが嬉しいから、それのせいにして離れないで。
 お前が壊れたら誰が悲しむの?そう、それは僕なはずなのに。一番、壊してしまいそうなのが僕なのに。
「わからなくてもいいです。ね、笑ってください」
 お前は僕の笑顔が一番好きだって言ってくれる。
 わかんないよ、どうすればいいの、信じていいの、怖いのに。
 小さい体を、壊さないように、そっと抱き寄せて。
 ねぇ、どこにも行かないでよ。そんな叶わない願いはしないけど。
 どうか、離れないで。



+++++++++++++++++++++++++++++

「柳さん、柳さんっ!」
 机に突っ伏していた柳覇が顔を上げる。眼鏡が少し曲がってしまっている。
 ぼーっとしながら声の主を探すと、隣には陽香の姿が。
「あんだ・・・朝か」
「ゆ、夕方ですよ!食事の準備ができたから読んできてとフォントさんが・・・」
 曲がった眼鏡を直し、掛けなおす。欠伸をして伸びると眠気が少し覚めた。
 階段を上がってリビングへ向かう。途中でわたあめを踏みそうになるが素早くかわす。
 テーブルの上には既に料理が並んでいた。といっても大したものはない。
 大体、金がかかるから豪華なもんなんて作らなくていいと柳覇が言うので安物で済ませることが多いのだ。
「今日は、私も手伝わせていただいたの」
 そう言って椅子に座る。最近、陽香は夜まで家にいることが多くなった。
 年上の人がいる家に行かせるなんて、と兄が言っているようだが陽香はそれを振り切ってきているらしい。
 柳覇自身、心配していないわけではない。夜遊びをしていた経験があるが勧めるようなものではないことぐらいわかっている。
「ん、まぁ美味いな」
「よかった・・・!」
 ほっとして箸を取る。三人並んで食事これが最近の日課。
 二人きりだったときもこうしていた。柳覇がどんなに遅く食べようとフォントはそれに従っていたのだ。
 だが陽香がきてから柳覇の食生活は少し、正しくなったかもしれない。
「もっと美味くなったら、嫁に迎えてやるよ」
「よっ、嫁・・・!?」
「嫁!?」
 陽香だけでなくフォントも驚いた。フォントはなぜか持っていたスプーンを落とす程驚いた。
「何だよ」
「ななななななんでもないですあわわわわ、僕は弟ですか?義理のお姉ちゃんということになるんですか!?」
「気が早いです・・・!」
 二人慌てている姿を見て、一人楽しんでいる男が一人。随分とたちが悪いようだ。

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